異物混入ワクチンで「接種後2人死亡」…なぜ異物の分析結果を速やかに情報公開しないのか

モデルナ製の異物混入ワクチンが相次いで見つかっている。「使用見合わせ」ロットのワクチンを接種した後、男性2人が死亡したことも確認され、衝撃が走っている。河野ワクチン担当相は29日朝のテレビ番組で「因果関係は分かっていない」と語ったが、不安がよぎる。一体、何が起きているのか。

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 厚労省は異物が見つかったロット「3004667」と、同じスペインの工場の同じ工程で作られた2ロット「3004734」「3004956」の計3ロットを「使用見合わせ」としている。亡くなったのは、ともに30代の男性。使用見合わせの「3004734」のワクチンを打っていた。2人とも基礎疾患やアレルギー歴はなかった。2回目の接種をした後、副反応によって発熱したが、副反応が収まった翌日に亡くなった。

 モデルナ製ワクチンの接種後の死亡報告例は8日までに11件。100万回あたり0.9件。「3004667」からは黒い金属片とみられる小さな異物が見つかっている。2人が接種した「3004734」にも混入の可能性がある。2人の死は異物混入と関係があるのか。ハーバード大学院卒の医学博士の左門新氏が言う。

「目視で見える異物は大きくておそらく注射針を通らないでしょう。ただ、目に見えない大きさの異物が体内に注入された可能性は否定できません。異物はワクチンの製造工程で混入したと思われます。金属の可能性があるとされていますが、例えば、鉄、銅、鉛、カドミウムなどほとんどの金属なら全く問題ない。ヒ素は1グラム程度体内に入れば健康に影響を及ぼす可能性がありますが、無色です。そもそも、人体に注入するワクチンの製造でヒ素が混入する工程があるとは考えにくい。結論として、健康への影響は極めて少ないとみています」広告

河野ワクチン担当相「メーカーに確認中」

 モデルナの異物混入ワクチンは広がりを見せている。埼玉県では6月時点で異物混入が見つかっている。28日には、沖縄で使用見合わせの3ロットとは別ロットで黒い異物とピンク色の異物が見つかった。さらに群馬でも29日、別ロットのワクチンから、青みがかった黒色の異物が見つかっている。

 河野大臣は「何が入ったのか、どういう工程で入ったのか、今問題が起きていることについてはモデルナに至急、確認するように要請している」と強調したが、すでに埼玉では6月に異物が見つかっているのに、なぜ、これまで情報を出してこなかったのか。

「モデルナ製はメッセンジャーRNAという新しいワクチンなので、製造工程は知られていない。メーカーは製造過程で使われているすべての物質を把握しているし、黒い異物を分析すれば物質名は数時間で分かります。分析は済ませていると思われます。分かったことは速やかに情報公開すべきです」(左門新氏)

 厚労省は29日、沖縄の異物について、注射器の針を瓶に刺した際、ゴム栓が削り取られた可能性が高いと発表した。

 ちゃんと情報公開してくれないと、安心して接種できない。それとも、公表するとパニックが起こるようなものが混入しているのか。

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裸足のマミ