太陽光パネルは未だにリサイクルできないのか?

 水耕熱の自給・オフグリッドを目指す上で、ソーラーパネルはほぼ必需品の様に思います。一方「ソーラーパネルの廃棄は難しい・不可」という情報もあり、二の足を踏んでいる方もいらっしゃるかと存じます。ソーラーパネルのリサイクル技術は現存するそうです。ここから調べてみては如何でしょうか。

※【2018年】オフグリッドを普及している方から頂いた回答(長いので一部修正・トリミングしています)

Q:2018/9/4の台風で飛んだメガソーラーが話題になりました。メガソーラーは設置時に景観破壊・パネル廃棄時に環境破壊・災害時には二次被害をもたらす新手の人災とされています。一方、オフグリッドに用いていたのも、太陽光パネルだったと思います。メガソーラーのパネルと、オフグリッドのパネルはどう違いますか? オフグリッドのパネルも廃棄不可レベルの問題が生じることはありませんか?

A:一般的なソーラー発電、メガソーラーなどはほとんどが売電を目的とした系統型というもので電力会社と繋がっています。 家庭用の屋根に上がってあるパネルでも30-40枚、メガソーラーになると何万枚となり、これはもう大量生産・環境破壊・台風などの災害の際に大量廃棄に繋がります。ソーラーだけでなく風力・地熱・バイオマス・小中水力などこのほとんどが売電を目的としたもの…FITに乗っかったものです。ですから、作った電力を高く売って利鞘を稼ぐ=自然エネルギーが増えれば増えるほど僕たちの電気代が高くなるシステムです(再エネ賦課金)。つまり、余剰電力買取制度で売電をしている方々の利益は、電気を使っている全員の家から払われているんですね。

 また、日本のソーラーパネルはまだまだシリコン系のパネルが大部分を占めていますが、 ソーラーの原料はこの半導体シリコンで作られています。元々の原料は雲母などの岩や砂です。n型シリコンとp型シリコンに太陽の光が当たると…n型からはマイナス電子が、p型からはプラス電子が移動して直流の電気が生まれます。直流の電気からは電磁波も出ません。コンディショナーで直流を交流に変換して家電を使いますが、このコンディショナーから電磁波を出しています。

 オフグリッドで使うパネルもシリコンを使っているのは間違いありません。ただし、今は(株)リアライズのようなシリコン再生の会社があちこちに出てきています。壊れたパネルを持ち込むとアルミ・ガラス・半導体その他に分けられそれぞれを再生して生まれ変わります。そんなソーラー処理専門会社もたくさんでてきていますね。
エネルギーペイバックタイムという、パネルが作られた時点のそれまでに使ってしまった全てのコスト・CO2も含めてどれだけ使ったらゼロになるのか?という指数によると、パネルの材質にもよりますが、一番長くても家庭用で3年、工業用で3年半でゼロになるという指数が示されました。)

今はもうシリコン処理し再生する技術が確立され現実的に稼働しています。但し、リアライズのような処理業者にどう回収し持ち込むのか?国のシステムづくりが必要になります。つまり、大型ゴミのようにソーラーパネルも回収ルートに組み入れれば簡単にリサイクルが完成します。ヨーロッパEUでは2012年にこのリサイクルシステムにパネルも組み入れられ、教育用に使われていて、中古でもまだまだ使えますので安く欲しい方に流通させています。それを受けて日本も4年後をメドに回収サイクルを確立させようとしていますがなかなか進んでいないのが現状です。

 私が売電型の大型ソーラーに大反対している理由がもう一つあります。それは大量生産だという事です。余剰電力を売電するのでたくさんの枚数を必要とします。メガソーラーは多いもので何万枚というところもあるでしょう。つまり大量生産→大量消費→大量廃棄に繋がってしまいます。また、一般常識で「ソーラーパネルの寿命は20-25年」と言われているところも問題です。これはメーカー発表ですが、20-25年経ってもまだまだ使えるものを「寿命だから」と交換してしまうのです。経年劣化を加味しても20-25年後の出力はせいぜい20%減ほどです。個体差ももちろんありますが、メーカーの言う耐用年数の20-25年はあくまで新品時の出力を保てる期間なので、耐用年数が来たから全く発電できないというのはナンセンスです。つまり、20-25年経った後に仮に80%になっていたとしても、その時にパネルをどうするのか?
①業者の言う通りパネルを交換する②出力80%のまま大切に使う③出力の落ちた分パネルを追加して補う④ソーラー発電そのものをやめる
こう考えると、選択肢が広がります。
しかし、業者の言いなりだと①交換しか選択肢が無いのです。

 だからこそ、しっかりとお勉強することが大切なんですね。

この記事を書いた人

シエルアルト